立つ瀬

 

今日は急遽職場の上役の声かけでぼくの得意先の焼肉屋で飲むことになった。6人が集まった。

実に色々な話をしたが、やはり説教めいたものもあった。3時間くらい、ひとりあたり7千円以上飲み食いをした。

 

帰り道、タクシーでそれぞれ帰ることになったが、ひとり先輩が声をかけてきて少し歩きながら話した。

今日急遽開かれたのは「お前がぎりぎりなところにいる」からなのかもしれないと言われた。そして「別な道を歩むなら早く決めた方がいい」と勧められた。

 

ぼくはこの先輩はこの会社で唯一面白いと思うひとだった。ユーモアがあり、飄々としつつも真摯なひとなのだ。

 

ぼくの目の前にはいま二つの道があると言える。

ひとつは、会社を去り、自分の生きやすいように生きる。

ひとつは、会社に残り、自分の生き方を変え、順応して生きる。

 

いずれにしろ、いまは無理をした生き方をしているということだろう。それはひとえにある得意先のせいである。仕事上の付き合いを当然のごとく求められるのは非常に苦痛だ。

彼らは個人を見ていない。個人を通して会社を見ている。

 

もちろんそうではないひともいる。楽しい瞬間もある。ただ、それは蜃気楼のようなものだろう。

 

この会社にはずっといるつもりはないとずっと言ってきた。ちょっと長居した気もする。でもお金がないのだ。

 

問題は、いかに仕事を「こなし」、次の生き方を得るか、である。

この問題に集中しなければならない。

仕事に集中してはならないのだ。それは6月でわかった。