この映画の感想を、あまり他の批評が頭に入らないうちに書いておこうと思う。
鑑賞後、Twitterを開くとぼくのタイムラインではあれは宮崎駿を世界の主と考えたり、主人公と考えたりするツイートが散見された。
そうなのかもしれないし、ぼくはそんなことは考えなかった。
また母性か、と思った。
ネタバレになるが、
主人公の少年はその世界で死んだはずの母親と邂逅する。正確に言えば少女時代の母親なわけだが。
最終的にはその母親に認められる形で元の世界に戻ることになる。
これは「風立ちぬ」で菜穂子さんに「生きて」と言わせたのと同じである。
実際は少女時代の母親にあなたは死ぬけど「生きてほしい」と少年は言い、君は優しいねと返されるのだ。そんな少女がいるだろうか。
いずれにしても主人公の少年は母親(実母の妹である継母)とともに元の世界に帰ってくる。
ほかにも少年の周りには女中がたくさんおり、そのひとりは別世界にも登場する。ずっと守られてるんだよな、という感じだ。
なんというかまあ、ぼっちゃんの冒険という映画だ。個人的にはあまり好きではない。血筋が鍵になることも含めて、まるでラノベのようだ
ただ映像は素晴らしかった。
常に細部を見てしまう。その造形の正しさと美しさに。
その意味においても、宮崎駿の総集編としても見る価値はある。
追記
あの作品に宮崎駿の生きようを重ねようとするのは作品に対しての侮辱だと思う。