メモ帳供養

過去に書いたiPhoneのメモ(日記)を記載する。

 

2012年

もうすっかり葉桜である。この時期は好きだ。

入学式までを振り返ってみやうと思ふ。

まず、入学式の前のつどいだ。

前日に引っ越していたマンションから大学に向かう。人はたくさん。まだ寒く桜は蕾である。

自転車をとめ、芸術館に続く行列に並ぶ。並ぶと気付くがこれは行列でない、サークルの勧誘者達が新入生を取り巻くようにトンネルができているのだ。そこを威風堂々と行進すると、いつのまにか手にチラシの山ができているのだ。薔薇色の学生生活を予想し胸が高鳴る。その後つまらない学生自治会やらの説明を聞き、学科ごとに集まった。其の間にも友達、否知り合いができた。そしてそのまま食堂に移動、157円のカレーライスを食べる。美味しかった。そしてまた教室へ移動し、自己紹介タイムである。ニセイチはここで輝いた。まずホストがいた。既婚で一児の娘の父。人生を楽しむキャバ嬢。夢に敗れた宝塚志望のイケメンな女。頭にリボンを付けたひどくうるさいぶりっこ女。時の会を勧めてくる宗教ちっくな長身男。いつもぬいぐるみを抱えているメルヘン男。こんな奴らの自己紹介を信じた私は馬鹿だろうか。馬鹿野郎だな。

しかし、言い訳をしたい。

新入生であったと。あんなにも簡単に人は騙されるのだなと感服した。

この後、二年生のおごりでファミレスにいったがわたしの卓は最低だった。堪らずスパゲッティをかきこむと店から出た。すがすがしいようで、悲しいようで、興奮してるでもあり、絶望も感じていた。

 


3日に入学式があった。NHKのアナウンサーの講演があり、色々感動したが、もう覚えてない。

この後また学科で集まった。そこでもにせいちは輝いた。

彼らだけ抜粋され自己紹介を改めてしていたのはおかしいと思った。なぜキャラが異様に濃い連中だけくじにあたり、自己紹介するのか。まあ、状況に不信感を抱くことは難しい。俺はくじを引く二年生の心意気だと理解したのだ。

ここでにせいちは増える。長崎出身のキャバ嬢を追いかけて東京に出てきた男とか。

その日は台風なみの暴風雨であった。自己紹介の後、10人ずつの1、2年混合の班で自由行動し、大学の施設紹介をしてもらった、暴風雨の中でね。

各班居酒屋に集合となっていたが、ほとんどの人が濡れていた。そこで、飲み会がはじまった。

すき焼きである。

まあまあ楽しく盛り上がってきたころ、事件は起きた。宝塚志望の女の子とキャバ嬢は開口一番に不穏な関係だったが、どうやら生き方が違いすぎたのだろう、「あなたに私のなにがわかるんですか」と激しい口調がとなりの卓から聞こえてきた。

二年生は二人をなだめながら、大部屋からでた。それに付いてくように何人か出て行った。

場はザワザワである。

俺はニヤニヤである。

いままで、周りの異様な個性に圧倒されて、自分の行く末を案じていたが、このケンカを目にして何故かやる気が湧いてきた。面白い。これなら大学生活も楽しめるだろう、と思ったころ。

あの二人が部屋に飛び込んでくる。いや、もっといる

着ているのは二年生のポロシャツである。

全てが理解できた。彼らはにせいちであったと。

さういえば、そんなことがあると宮武がいっていたなあと苦虫をつぶしたような顔をするしかなかった。

まあ、悪くはなかった、ちょっと感動した。その完成度に。

その後、二年生の怒涛の謝罪タイムが始まった。二年生はどうやらホッとしたようで、とても親しみやすくなっていた。よかった。

テーブルを移動する。

そうしけんの守谷さんとちょっと話し、彼が友達の友達ということが判明。そして彼はとてもいい人であった。兄に似ていた。そうしけんにいくことを決める。

その後グダグダ、暴風雨の中、一年生をどう帰すかの議論が始まる。二次会に行きたかったが、帰ることになり、帰る。

楽しく寝る。

まだ一人暮らしには慣れていない。

2日にだいたいのものは買ったがまだテーブルもなかった。